【つぶや記】海上自衛隊、入隊!④

班のカギ係を指名される

私が採用された自衛官の種類は練習員課程(現:自衛官候補生課程)。約4か月の訓練を経て、各部隊に配属される。その過酷な有事が始まった、、!。
練習員課程は、3分隊あり、その一つの分隊に私は属し、同期は総勢50人弱。その中で3つの班に15人ずつ分かれることとなった。分隊長は1尉ほか、厚生班長や体育班長などの3曹のが配置され、私たち各班の班長は、学校で例えると、担任の先生であり、各部隊から着任した2~3等海曹が担った。私は、3班のカギ係になった。


役割は、外の訓練に向かうときに、各同期に割り当ててある個人用ロッカーのカギを回収し、事務室に預けるという簡単な係。と、思いきや、全然違った。訓練と訓練の間の時間が極めて少なく、例えば、次の訓練(基本教練)の準備で、陸警靴という頑丈なブーツを履いたり、弾帯ベルト(銃弾をベルトで繋げるもの)を付けたりで、時間に追われるため、みんな狭い場所で揉みくちゃになりながら、装備品を身に付けなければならない。一人でも、時間に遅れて整列したら、連帯責任で前支え(腕立ての状態を数十分キープ)をさせられるためである。そのため、装備品を身に付ける前に、皆のカギを回収する。なので、そのときになると、私は大声は「カギー!カギーくださーい!」と連呼して、私のところにカギを持ってきてもらいう。でも、その大声は青森弁でなまっていたらしく、これから訓練に向かうのに、皆にとっては、かなり気が抜けるみたいで笑われた記憶がある。

一度カギを預けたけど、中には、「まっちゃん、やばい!カギ貸して」と、自衛官手帳や中には、常時身に付けている帽子を忘れてる同期もいた。誰でも、忘れ物あるし、仕方ないことだけど、有事になったとき、それが生きるか死ぬかの分かれ目になるからである。有事は数秒遅れただけで、大惨事になることもあると、班長から言い聞かされていた。恐ろしいけど、それが現実なんだと知った。たぶん私は、周りからマイペースで、言葉もゆっくりで(標準語話そうとしてるから笑)、ぼーっとしているから、班長はそこに気付いて私をカギ係に指名したのかな。しかし、カギ係の重要性は計り知れないものでした。

散乱事件を受けて、ペーパーテスト前の失敗談

私たちは、陸上警備訓練や水泳訓練、短艇訓練など、日々そういったハードな訓練ばかりではなく、もちろん座学もある。その中で、衛生という教科のテストを控えたのお話し。

基本、海上自衛官は、船乗り生活をイメージして教育訓練生活をしている。寝ているベットにシワがあれば、ベットメイクする。また、洗濯後の作業服にアイロン掛けをすることは必須であり、自衛官としての基本中の基本となっている。以前、衝撃的なことあった。それは、朝食後、部屋がある建物に戻ると、その建物横の歩道にベットやその寝具類が散乱していた。また、部屋に戻ると、同期の個人ロッカーのドアが開いていて中身が散乱していた。
おそらく、朝食前にベットメイクをしていなかったこと、ロッカーのカギを掛け忘れたことが原因である。その光景を見て、当時18歳の私はショックを受け、「ここまでするか、、やり過ぎじゃないか、怖い」と疑問に思った。
それから、よりベットメイキングと作業服のアイロン掛けをより徹底するようになっていった。恐怖心からか、作業服にアイロンを掛ける力が強くなって、変色したり、アイロン熱によりテロテロなったり、一度作業服をダメにしてしまうことがあった。また、ベットでは、シワを少しでも作らないように、シーツの上に毛布で覆ったりした。
他の同期は、そもそもベットに寝ず、床や誰も使っていないベットでシーツを敷かないまま寝る人もいた。怖いのは私だけではなく、皆同じ気持ちをだったかもしれない。

衛生のペーパーテストの二日前になると、同期は自習室にこもり、試験勉強をする。なのに私は、ひたすらにベットメイクをして、勉強をおろそかにしていた。シーツにシワがあるのを見ると、焦燥感に駆られ、気になってベットメイクしてしまう、、そんなループになっていた。

当然、衛生のペーパーテストは赤点を取った。赤点は、階級の昇任に影響するので、班長からきつく注意を受け、他で挽回しろと言われた。なぜ、きつい注意かと言うと、練習員は任期制自衛官(非常勤的な)。当時は、3年、5年、7年と勤務する中で、3曹への昇任試験をパスしないと退職するしかなくなる。練習員として受ける昇任試験は狭き門で、パスした人は聞いたことがなかった。
班長には、言い訳なんてできないし、ただ「すみません」、「はい」を繰り返した。当時は、私にとって、いっぱいいっぱいだったと思う。それから、他で挽回するために、体力試験で体力1級になるようにと、気持ちをシフトしていった。体力1級になると、制服に付けるめちゃめちゃカッコイイ徽章をもらえるから、憧れでもあった。

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