【全身性ガイドヘルパー研修】車いす対応で学んだこと

簡単に言うと、ホームヘルパーが利用者宅で生活支援をするのに対し、ガイドヘルパー(以下「ガイヘル」)は、外出支援をすること。

ガイヘルには、次の障害の区分によって分けられ、知的障がい、体の不自由(全身性)、視覚障がいの3つの資格にに分けられ、それぞれ3日間の研修(座学、外の実地訓練)がある。

対象は、介護保険対象者や障がい者手帳を交付されている方。介護保険は、1時間あたりの利用額から1~3割負担、障害者総合支援法は、利用額の1割負担で利用が可能。

内容としては、例えば、福祉施設や特別支援学校までの送迎、買い物や銀行、理容など社会生活上の必要な外出。また、映画やスポーツ観戦、散歩など趣味的な付き添いが可能。しかし、付き添うことができない事例もあり。後で述べます。

5月の休日に、全三日間の行程で全身性のガイドヘルパーの研修を受講。

一日目と二日目は、ガイヘルの倫理観や仕事内容、利用者の対応方法など、テキストに沿って講義。

三日目は、研修会場周辺の道路や公園、駅などに向かい、車イスに乗る人、介助する人に分かれて、ちょっとした段差や階段の昇り降り、点字ブロックや砂利道の走行、エレベーターの乗り入れなどを体験した。

ジェントルマン現る

驚いたのが、街中の建物や公園に入る10段前後の階段を、研修者一人で車イスの乗った方を昇り降りする訓練があった。さすがにこれは、無理でしょう?

、、と説明のみで終わる雰囲気だったが、、10段昇り降り買って出たジェントルマン(研修者)が現れました!その研修者は体格が良く、プロレスラー風のこわもて男性。高齢者のデイサービスで勤務され、車イスの扱いに慣れているそうだった。

実は、、車イスに乗っているのは私なんです(^_^;)(だって乗りたかったんだもん、楽しそうだし笑)。

いざ、まずは階段の昇りが始まった!私が前側で研修者は後ろから車イスの前輪を上げ進み、階段にその前輪を乗せるを一段ずつ繰り返して頂上に着く。時間が限られているので、すぐに降りがスタート笑。

私も研修者も後ろ向きから動きで始める。まずは研修者が後ろに車イスを少し動かし一段降ろす。降ろしたときの反動を抑えながら、ゆっくり降りるを繰り返す。

昇りも降りも、ただ車イスに乗っている私の体は斜め上向き状態続き。なぜか富士急ハイランドに遊びに行ったことを思い出してしまった。「これは、アトラクションですか?」と、苦笑いを隠すのが精一杯。

終了しジェントルマン(研修者)にお礼を伝えようとしたときに、「あ、額に汗が。顔が真っ赤。本当はきつかったんだ。皆さんにお手本を見せるために、、。」一生懸命な方。魂が細部に宿った丁寧な介助でした。本当に、ありがとうございました。

気になったこと、ガイドヘルパーを利用できない事例

例えば、自宅→プール→自宅の外出支援のとき、プール活動中は付き添えない。

また、温泉やカラオケ、就業先の付き添いもできず。通院や市役所、銀行などで行う手続き支援も不可。

そういった、付き添えないことは、利用者家族やガイドボランティアなどが担っている。加えて、福祉事業所が行っている自費(利用者自己負担)サービスがあるが、認知度はまだまだ低いのが現状。

料金設定が高い安いは別として、問題なのは、福祉サービス適用内(利用できる)、福祉サービス適用外(利用できない、いわゆる自費サービス)により、 障がいがある方の生活に支障が日常的に起きているのでは。

さいごに

研修二日目で講師としてお話しされた、研修主催者(理事長)の一言メッセージを紹介。

理事長は、20代の頃にバイクで転倒し、怪我の影響で下半身が麻痺し、車イス生活となる。バイクが好きで、数年後、目標であったアメリカ横断のツーリングに成功。40代に脳梗塞を患い後遺症により、上手く言葉を発せられない状態が続いている。

そういった理事長の視点から、ガイヘルを担う研修者へ。

「支援する技術よりも、その人(利用者)と関わりたい気持ちがあれば、他になにもいらない。」

つまり、福祉サービスを利用する方にとって、ガイヘルの外出中の安全確保と、コミュニケーション力に、安心感を持ち、信頼が築かれる。当然のこと(基本的なこと)だけど、それがもっとも重要な要素。以上。

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