以下、3つについて、誘導のお仕事を始められる方や、ボランティアの方向けのお話をしていきます。
- 障害を負いながら生きる心理
- 誘導方法の基本と配慮がより必要な場面
- 障害者への理解と信頼作り
~はじめに~ 視覚障害者が歩くときに欠かせないものとその役割
それは、白い杖→白杖(はくじょう)を基本的に効き手に持つ。
役割として、
「私は目が不自由です」と周りに知らせる
障害物への衝突を防止
周りの様子を探る
障害を負う生きる心理
生きている途中で障害(中途障害)を負う要因
・病気(糖尿病や緑内障、悪性リンパ腫など)
・不慮の事故(車や自転車の衝突、歩行時の転倒など)
・老化の加速(スマホやTVゲームの過度な使用)
・近年は、子供(小学高学年)が生活環境のストレスで、心因性の視力低下が表れている事例が報道されています
中途障害に負った後の心理的な流れ
ショック期→回復への期待期→悲観期→障害に適応しようとする努力期→受容(障害を受け入れる)
※サポートをするにあたり、相手は今どこの「期」にいるかを考え、どんな関わり良いか、周りの関係者のアドバイスも参考に、誘導をしよう!
生まれつき(先天的)に障害を負う心理
・社会経験の不足により、日常生活をするうえで、そもそも不便なのか、便利なのかが分からない(知らない)。
目が見えないのは、生まれたときからだから、当たり前な感覚になっている。例えば、スマホの機能や操作方法。
また、虹とは、一体どんなものか。スカイツリーはどんな形なのか。
※支援者は、安全に目的地に誘導すること、何気ない会話をすることも必要ですが、加えて、道中、物の使い方や価値、形状などの情報を伝えよう!それは、相手にとって有益な情報になります。その情報は障害者の世界観を広げ、障害者自身が物事の考えを外に向けて発信するきっかけになります。
誘導方法の基本と配慮がより必要な場面
誘導の基本として
・支援者の肘や肩に手を添えてもらう。
・支援者は、車道側を歩く。
・相手に点字ブロックの上を歩いてもらう。ただし、その方が点字ブロックの理解があるか、または、歩きたいかを聞く。
配慮がより必要な場面
・少しの段差、高低差、足元が不安定な場所→砂利道やタイル(レンガ)道、梨やミカン農園など
・地下鉄や商業施設の段差やエスカレーター
・電車やバス、飲食店の座席につくとき
障害者への理解と信頼作り
★実はかなり多い支援を受ける方と、支援する側の「マッチングミス」
①支援者自身が相手に対して、イメージしていたものと実際の差に戸惑いを感じる→障害者への理解不足
②支援者の態度や言い方が嫌い、怖いなどの理由で支援を断られる→信頼関係の崩壊
では、どうすればよいか
① 障害者への理解不足
理解を深めることが、信頼を生む基本になる!
→視覚障害そのものの理解や、社会福祉を取り巻く状況(制度改正や報道の情報収集)
→視覚障害がもたらす2次的な弊害として、自己肯定感、効力感の欠如からくる「自信がない」「人の意見を尊重する(受け入れてしまう)」など、受け身になる傾向がある。また、コミュニティの少なさ、孤独感や今や将来の不安、知的発達の遅れなどもある。
さいごに
誘導のお仕事を始められる方や、ガイドボランティアの方向けに書いてみました。
皆さんは、きっと「誰かの役に立ちたい」と、願う方がほとんどではないかと思います。
つまり、私たちは、つい経験年数や知識を重きを置いてしまいそうですが、それよりも障害者、障害への理解です。
理解が信頼を生みます。そして、サポートを望む方に、「必要とされ、声を掛けていただく存在」になることです。